仕事で本当に必要になる会話のための実践トレーニング
日本語では言えるのに、その一言が英語にならない。
仕事で伝えたい内容は決まっている。それでも、日本語を一語ずつ英語に置き換えようとすると、自然な表現が見つからず、会話が止まってしまいます。
相手の提案を受け入れるかどうか、その場では決められない。
日本語なら、すぐに言える。「一度会社に持ち帰って、検討させてください」と。
ところが、英語で言おうとした瞬間、言葉が止まる。
「持ち帰る」は、take home ではなさそうだ。
「検討する」は、consider でいいのだろうか。
頭の中で単語を一つずつ探している間にも、会話は進んでいく。
結局、曖昧な相づちだけで、その場を終えてしまう。
言いたいことはあるのに、英語だけが出てこない。そんな経験はありませんか。
英語が出てこないのは、知識が足りないからとは限りません。日本語の言い回しをいったんほどき、英語で自然な表現に組み直す練習が必要なことがあります。
なぜ、日本語では言えるのに英語が出てこないのか
原因は、単語が思い出せないことだけではありません。日本語の決まり文句と英語の表現が、一語ずつ対応しているとは限らないことも、言葉が止まる大きな理由です。
たとえば、「一度会社に持ち帰って、検討させてください」の「持ち帰る」は、物を家に持って帰るという意味ではありません。その場では決めず、社内で相談するという意味です。英語では、take this back to the office と表すこともあれば、相談する相手を明確にして run it by my colleagues と表すこともできます。
「検討する」にも、いつも一つの正解があるわけではありません。think about it や consider it でも大意は伝わります。ただし、今回のように社内で話し合う場面なら、discuss it with my team と言うほうが、誰が何をするのかが具体的に伝わります。
こうした表現を考えるときは、日本語をすぐ英訳しようとせず、まず意図を具体的な行動に分けます。「今は決めない」「チームと相談する」「その後で返答する」。ここまで整理すると、英語にするための動詞が見えやすくなります。
Let me take this back to the office and discuss it with my team. なら、いったん持ち帰り、チームで話し合うことが簡潔に伝わります。I'd like to take this back and run it by my colleagues before I get back to you. なら、同僚に確認してから返答する、という次の流れまで明確になります。後半の before I get back to you は必須ではありませんが、検討後に返答することまで明確に示したいときに役立ちます。
自然な英語にするとは、日本語の単語を一つも漏らさず移すことではありません。その場で相手に伝えるべき意図と、次に取る行動がわかる形に組み直すことです。
必要なのは、英訳を一つ受け取って終わることではありません。自分が仕事で実際に言いたい日本語を出発点に、複数の英語表現を比べ、違いを理解し、自分の口から出せる一文にしていく練習です。
言いたいことを、仕事で使える英語にする練習
Eigo Spark の「言いたいことを英語で」では、マイクをタップし、伝えたい内容を日本語で話します。すると、同じ内容が「かんたんな英語」「自然な英語」「ネイティブっぽい英語」の三つの言い方で表示されます。
三つの表現に、単純な優劣があるわけではありません。緊張する場面では、短くて言いやすい英語のほうが役立つこともあります。より自然な言い回しや、こなれた表現を知りたいときは、ほかの二つと比べられます。大切なのは、難しい表現を選ぶことではなく、その場に合い、自分が実際に言える表現を選ぶことです。
結果画面では音声を聞けるほか、「ポイント」で表現の違いも確認できます。今回なら、「検討する」をただ think about it に置き換えるのではなく、discuss it with my team のように実際の行動まで表す、という違いです。
使いたい表現はフレーズ帳に保存できます。保存した表現は、Phrase Challengeで繰り返し練習し、記憶に定着させることもできます。日本語と英語をセットで見返し、音声を聞きながら、明日の会議で必要な一文を本番前に練習できます。
日本語で話す
マイクをタップし、仕事で実際に言いたいことを日本語で話します。画面の例にない内容でも練習できます。
三つの言い方を比べる
同じ内容を、かんたん・自然・ネイティブっぽい、三つの言い方で比較できます。音声と解説を確認し、自分の場面に合う表現を見つけられます。
必要な表現をフレーズ帳に残す
保存した日本語と英語を、あとから音声つきで確認できます。会議の前に見返したり、そのままコピーしたりできます。
言いたいことが英語で出てこないとき、すぐに語彙不足だと決めつける必要はありません。日本語の言い回しを「誰が、何を、次にするか」にほどき、英語で組み立て直す。その練習を、明日使う一文から始めてみてください。